70歳からでも健康で活動的な生活を楽しむためには、筋力を保つことが大切です。年齢を重ねると筋力が落ちやすくなり、転倒やけがのリスクも増えますが、適切な筋力トレーニングを行うことで筋力を維持・向上させ、健康寿命を延ばすことができます。今回は、「70歳からでもできる筋力のつけ方」というテーマで、シニア世代に適した筋トレの方法とポイントを紹介します。
筋力トレーニングの重要性
筋力は、年齢を重ねると自然に低下し、運動不足や加齢によって筋肉量が減少する「サルコペニア」も起こりやすくなります。これにより、日常生活の動作やバランスが取りづらくなり、転倒や骨折のリスクが高まります。しかし、70歳からでも筋力トレーニングを始めることで、筋肉を維持し、日常生活での動作が楽に行えるようになります。
また、筋力トレーニングは筋肉だけでなく、関節の柔軟性や心肺機能の向上、さらには精神的な活力の向上にも寄与します。筋力をつけることで健康的で自立した生活を送るために、筋トレを始めてみましょう。
70代からの筋トレで気をつけるポイント
シニア世代が筋トレを始める際には、次のポイントに気をつけましょう。
無理をしないこと
70代からの筋トレは、あくまで「健康維持」が目的です。筋肉を無理に大きくしたり、無理な負荷をかける必要はありません。少しずつ負荷を増やし、体調に合わせて進めることが大切です。
ストレッチを取り入れる
筋トレ前後にストレッチを行うことで、怪我の予防になります。筋肉がほぐれて柔軟性が増し、関節の可動域も広がります。軽く体を温めてから行うとさらに効果的です。
適切なフォームを守る
年齢を重ねると関節や筋肉が硬くなりがちですが、正しいフォームで行うことが重要です。無理な姿勢や動作をすると、関節や筋を痛める原因になりますので、フォームに注意しながらゆっくりと行いましょう。
体調に合わせて休息を取る
筋肉をつけるためには、運動後の休息が欠かせません。特に70代では、筋肉の回復に時間がかかることが多いため、週に2~3回の頻度から始めて、筋肉が十分に回復する時間を設けましょう。
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70代からでもできる筋トレの具体的な方法
ここからは、シニアにおすすめの筋トレ方法を紹介します。道具を使わず自宅で簡単に行えるものや、シニア向けの体力づくりに適したトレーニングです。
1) スクワット
スクワットは、太ももやお尻の筋肉を鍛える基本的なトレーニングです。足腰を鍛えることで、日常生活での歩行や立ち上がりが楽になります。
方法
椅子の前に立ち、足を肩幅に開きます。
ゆっくりと膝を曲げ、椅子に腰を下ろすようにしゃがみます(完全に座らずに立ち上がる)。
しゃがんだら元の姿勢に戻します。これを10~15回繰り返しましょう。
ポイント: 膝がつま先よりも前に出ないように意識しながら、背筋を伸ばして行います。
2) 壁押しプッシュアップ
腕や肩の筋力をつけるためのエクササイズです。通常の腕立て伏せに比べて関節への負担が少なく、初心者でも始めやすい運動です。
方法
壁から少し離れて立ち、肩幅より広めに手をついて壁に向かって体を傾けます。
ゆっくり肘を曲げて体を壁に近づけ、その後、押し戻して元の姿勢に戻ります。
10~15回繰り返します。
ポイント: 腹筋を意識して背中をまっすぐに保ち、無理をせず、体を軽く前後に動かすようにしましょう。
3) ヒールレイズ(かかと上げ)
ふくらはぎの筋肉を鍛える運動で、立ち上がりや歩行が楽になる効果があります。バランス感覚も向上し、転倒防止にも役立ちます。
方法
壁や椅子の背もたれを持って立ちます。
ゆっくりとかかとを上げ、つま先立ちになり、元に戻します。
これを10~15回繰り返します。
ポイント: かかとを上げる際にはふくらはぎの筋肉を意識し、無理をせず安定した姿勢で行いましょう。
4) 椅子に座って行うレッグエクステンション
太ももの筋肉を鍛えることで、膝の安定感が増し、階段の上り下りや歩行が楽になります。
方法
椅子に座り、背筋を伸ばして足を肩幅に開きます。
片足をまっすぐ前に伸ばし、5秒ほどキープした後、ゆっくりと下ろします。
左右それぞれ10回ずつ行います。
ポイント: 膝をしっかりと伸ばし、太ももの筋肉を意識しながら行いましょう。
5) 椅子を使った背筋トレーニング
背筋を鍛えることで姿勢が良くなり、腰痛の予防にもつながります。
方法
椅子の背もたれに手をかけ、背筋を伸ばして立ちます。
ゆっくりと腰を反らせて後ろに体を傾け、5秒間キープします。
元の姿勢に戻し、これを10回繰り返します。
ポイント: 腰を反らせる際に無理な力を入れないようにし、ゆっくりとした動作で行いましょう。
筋トレを続けるコツ
筋トレを始めたものの、継続が難しいと感じる方も多いかもしれません。無理なく筋トレを習慣化するためのコツをご紹介します。
楽しみながら行う
筋トレを「義務」と感じると、続けにくくなります。音楽を聴きながら行ったり、家族と一緒にトレーニングをしたりすることで楽しみを見つけてみましょう。
小さな目標を立てる
最初から「毎日筋トレをする」と意気込むのではなく、「1週間に2回」といった小さな目標を立てましょう。達成感が得られると、継続しやすくなります。
日記や記録をつける
筋トレを行った日や感じた変化などを記録しておくと、振り返りながら進歩を実感できます。小さな変化でも続ける励みになります。
70代から始める筋力トレーニングは、体の健康を維持し、活動的な生活をサポートする重要な方法です。無理をせず、自分の体調や体力に合わせたトレーニングを行い、継続することが大切です。紹介した簡単な筋トレを日常生活に取り入れて、いつまでも元気に動ける体を保ちましょう。
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